
芦生原生林とは
「芦生原生林」と呼ばれる森は、京都府南丹市美山町北東部の由良川源流域に広がっています。京都帝国大学(当時)が1921年(大正10年)に演習林とし、その一部がほぼ手つかずであったことから、ほぼ原初の姿を残す森が残り、それゆえ「芦生原生林」と呼ばれているます。
ここは寒温帯と暖温帯の境界にあり、また日本海側と太平洋側の気候が混ざり合う場所であることから、多様な動植物のいる森林となっています。

中には環境省のレッドデータブックや京都府のレッドリストに載っている希少な動植物も生息しています。
昭和初期の植物学者である東京帝国大学(当時)の中井猛之進教授が「植物学を学ぶものは一度は京大の芦生演習林を見るべし」と記すほど、昔から「芦生原生林」を含む芦生演習林(現在は芦生研究林)は多様性に富んでいました。

1965年、関西電力はこの地にダム建設の計画を発表し、「芦生原生林」は消失の危機に陥いりました。
しかし、豊かな生態系や生活を守るために地域住民・京都大学職員・学生・学会などから多くの反対の声が上がりました。
関西電力は反対運動への対抗策として美山町にリゾート開発計画を提示したりしましたが、最終的に美山町及び美山町の人々はこれを拒否し内発的発展の道を選びました。
そして「芦生原生林」のガイドツアーや宿泊、さらにはシイタケやなめことその加工品の生産・販売といった事業を積極的に行うようになりました。
2005年にダム計画は撤回され、「芦生原生林」は奇跡的に残ったのです。